生翠 seisui - 舟醒 shusei’s diary

書画のあれこれエトセトラ

錬成会徒然

皆様、こんにちは。
梅はすっかり見頃を迎え散り始めています。
梅は咲いたか桜はまだかいな…
桜とて寒桜は既に咲いていますし、早いところでは葉桜になっていたり。
先日、小田原の梅園に梅を観に行きましたが、すっかり花は終わってしまった樹が目立つようになっていました。

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さて、いつもなら今の時期から3月は書芸院展に向けて、各支部教室や連合会による「錬成会」があります。
この錬成会というのは合宿みたいなもので、一日中稽古に励み、代表理事や理事長先生方の指導を受け、より良い作品を仕上げられる程に鍛錬します。
今年は去年に引き続きコロナの影響が大きく、錬成会が出来なくなってしまいました。
私が通っております愁渟師匠の恵比寿教室も、例年ならば師匠の故郷、徳島連合会に合流し錬成会に参加するのですが今年は中止になりました。

という訳で今年は恵比寿教室、単独で、五名までと制限し、毎週土曜日に錬成会を開くことになりました。
そこで私も助手として、お手伝いする事になりました。
自分の錬成もさることながら、同じお教室の生徒さんを指導するというのも、勉強になります。

書芸院展に出展出来るのは段位からですが、昨年から級位でと出展する事が出来るように規約が改定されました。
とは言うものの、やはり段位以上でないと難しいものです。
恵比寿教室ではほぼ、全員が段位以上の生徒さんです。
初めての方もいれば、三回、四回と言う方もいて、それぞれ指導法、要点を変えていかねばなりません。
初めて指導すると、どこにポイントを絞るか迷います。

私が指導したのは漢字、近代詩文の課題でした。
漢字は、行の流れ、間(空間)の取り方、墨継ぎ、掠れ。
個々の字体も同じく、一つの字体の中にも間を何処に持たせるか、筆使いでは線の流れ、筆先の向き、線の太細、掠れ、連綿の継ぎ方等…
どう、お手本を読み解いていくか、がまだ読み切れない方が殆どで、ただ手本を横目で見ながら“自分流に”書いてしまっています。
近代詩文については、更に行間の取り方、斜めにふる、独特のリズム感の出し方があります。

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穂先の入り方一つ取っても、縦なのか、横向きなのか、外に向いているのか、中に入っているのか。
何より特に近代詩文は墨色が命です。
上級者にはそれなりの技術、構成力が問われます。
レベルに合わせての指導は、かなり気を使うと当時にたった五人なのに、時間が足りなくなってしまいます。
これは要領よくピンポイントの指導が出来ていない、という事です。
自身も反省し工夫しながら、指導に当たりたいと思います。

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生翠