生翠 seisui - 舟醒 shusei’s diary

書画のあれこれエトセトラ

「習うより慣れろ」とは

皆様、こんにちは。
十ニ月、師走に入り寒さも増して来ました。
お布団から出られなく日も、もう直ぐそこまで来ているようです。
我が家には十歳になる保護猫さんが去年から居まして、朝方はお布団の中に入るようになりました。
コロナも心配ですが、普通の風邪にもどうぞお気を付けて下さいませ。

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さて、今日のお題の「習うより慣れろ」ですが、書を嗜んでいると「筆文字はお手の物」と皆さん思われるかと思います。
正直私にとっては、それは当たらずとも遠からじです。
と申しますのも書にも色々ありまして、半紙に書く時の筆と名前を書く時の筆は違いますね?
太い筆、ふとふでから細い筆、小筆に持ち替えたかと思います。
そうなんです。小筆が使えるかどうかで“お手の物”になるかどうか…なのです。
また更に仮名をお稽古している方は、美しい連綿(続けて書いた書体)も得意でしょう。

今はめっきり少くなりましたが、この時期と言えば年賀状を書く季節です。
やっぱり筆でサラサラと…と憧れると思います。
私もそうです。
書作品としての仮名と違い、お手紙や宛先宛名等は半紙に名前を書く時と同じように、他の方が読めなくてはなりません。
宛先は郵便番号で読み取るとはいえ、枝番はやはり人が読み取るものですし、宛名も配達員さんが読むものです。

書作品と分けて「実用書」等と最近は呼ぶ様になりました、誰もが読める字体もやはり「慣れ」が必要になってきます。
小筆には細字(さいじ)というお稽古もあり、実用書に転用できるものです。
小筆を使いこなせる様にならないと、なかなか難しいものがあります。
私もまだまだでお稽古をもっとしないと、細字は上手く書けません。
ではどうしたら使いこなせるか?

慣れることです。
慣れるには習いながらも書くことです。
先生の書く筆使い、力の入れ具合、書かれた文字のバランス、間のとり方…
真似することです。
筆の穂先ばかりに目がいってしまいますが、手、腕、身体全体を見てみて下さい。
太筆の応用が小筆ですし小筆独特の使い方も勿論ありますが、とにかくその筆に慣れること、に尽きるかと思います。
習う、とは理論だったり原理だったり、所謂知識のことで、慣れろは実践のことです。
身体も“覚える”ことで、恰好良く書く事が出来ます。

コロナの影響で中々会えないご家族や友人に、こんな時だからこそ手書きの年賀状を書いて見ては如何でしょうか。

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