生翠 seisui - 舟醒 shusei’s diary

書画のあれこれエトセトラ

季節を感じて

皆様こんにちは。
すっかり秋らしくなってまいりました。
まだ残暑の名残とでも言うのでしょうか、暑い日がふと戻ってきたりして、服装も悩む時期です。
ドングリの実を拾ったり、柿の実も鳥達がさかんについばんでいる姿を見かけ、晩秋に向かっていることを感じます。

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先日は中秋の名月と満月が重なる、珍しいお月見になりました。
皆様もお団子を食べたりしながら、お月見を楽しまれたことでしょう。
水墨画で薄に葛の花を添えて、お月見してみました。
水墨画は字のごとく、水と墨で描いていきます。
冴えざえとした月夜を表すには、やはり青墨でなくてはなりません。
青墨と油煙墨(茶墨系)は描く題材によって、使い分けをしていきます。
青墨は青という冷感色なので、品のある作風に仕上がります。
一方では寒々しさや、冷たい作風にも感じられます。
山水画や風景画は、特に水墨画の中で格調高い作風が求められので、青墨や松煙墨で描きます。

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背景には茶墨を使ってしまいました。
青と茶の違いが分かるでしょうか。
背景はスプレーで淡墨、水で薄くした墨液を吹きました。

同じ画題で今度は墨彩画を描いてみます。
墨彩画とは彩色の中に墨を混ぜて、水墨画のモノトーンより色付けを鮮明にした作風を言います。
顔彩を使って色付けをしていきます。

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雰囲気が変わり華やかさが加わったでしょうか。
花や果物(主役)には墨は入れずに、顔彩そのままの鮮やかな色味を活かします。
葉や茎、ツルといった花の後ろにあるもの(脇役)や、背景にはより多くの墨を入れます。
だいたい七対三の割合で、三が墨が入った色味になります。
これを全く墨を入れずに描いたものは、墨彩画とは言わずに彩画と言います。
水彩画と見間違える程で、透明感のある作風になります。
墨が入ると落ち着いた色調に整えられて、優雅な作風に仕上がります。

お気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、書と異なり下敷きは墨色(淡墨、薄墨)や顔彩の色を見る為に「白」を使います。
墨の濃淡は水加減により、乾くと更に見た目が薄くなります。
かなり濃い目にしないと、仕上がった時に「薄ぼんやりした感じ…」とがっかりします。
下敷きが黒いと、色味の調節がしにくくなるからです。

水墨画、墨彩画、どちらも墨を使っていますが、量や色味を使うことで、雰囲気が変わる楽しさが味わえます。

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舟醒

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荻須生翠・兼松玄愁二人展
「古に想いをはせて」

11月15日㈪〜20日㈯まで
初日14時から、最終日15時まで

銀座第7ビルギャラリー 一階
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目10−16

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