生翠 seisui - 舟醒 shusei’s diary

書画のあれこれエトセトラ

国際公募展「美は国境を越えて2021」

皆様こんにちは。

昨日は16℃と暑いくらいでしたが、今日は氷雨の一日になり、雪に変わるとか変わらないとか…
普通の風邪も引きませんように。

そんな中で、国立新美術館で開催中の国際公募展「美は国境を越えて2021」と國際書画展を観に行ってまいりました。
國際書画展は改めて記事を上げたいと思います。
先ずは「美は国境を越えて2021」から。

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国際墨友会 小林東雲先生が主催するこちらの展覧会も、18回を数えるまでになりました。
私は昨年から応募させて頂いてますが、墨と筆のアート、世界の水墨画や書の愛好家、作家の作品が一同に集まる珍しい展覧会でもあります。
また写真や立体作品も出展可能で、見飽きることの無い、とても楽しく目にも大変、美しい作品達は子供から大人まで、時間を経つのも忘れるほど存分に楽しめます。
同じく國際書画展も書画が集まる展覧会ではありますが、応募国も日本近隣の国で、国際色の豊かさでは勝るのではないでしょうか。

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会場入口の正面から、主催者代表の小林東雲先生の大迫力の画が迎えて下さいます。
どうやってこの大きさの画を描かれたのか…
2階から眺めて、松の枝が…、ここの山が…と、何度も描いては2階に上がり眺め、描いては眺めして描いたそうです。

水墨画というと当然、白黒の世界ですし、墨彩画ですと色が入ってきますが、墨と混ぜているのでトーンは落ち着いた雰囲気になります。
落ち着い中にも華やかさがあり、何とも言えない気品も漂ってきます。

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空間、間(ま)の取り方が微妙で、これだけ有る画に囲まれていても、ゆったりとした気分で疲れません。
自分の画を見つけました。

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一番手前の作品です。

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日本陣営もさることながら、ロシア勢もまた「え?日本人が書いたんじゃないの?」というくらい、書画が達筆で驚くばかりです。

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ポーランドやドイツからも出展がありました。
今年は22カ国、450点を越える作品展になっそうです。

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これらの作品、どうやって作られたのでしょうか…
実は東雲先生はじめ、東晴先生や墨友会の皆様の多大なる御尽力の元に、この展覧会の成功があるのです。
この全世界を巻き込むコロナ禍で、物流もストップしており、日本へ作品が送れない、という事態に陥っておりました。
そこでデジタル化し、日本で和紙にプリントアウトし表装なり額に収めることになりました。
いくらデジタル化しても、やはり墨の濃淡の微妙な加減はプリントでは再現することが出来ません。
そこで先生方が作者とやり取りしながら、墨を入れていったそうです。
とてもプリントした作品とは思えない、お軸も圧巻です。

そして子供達のカラフルな作品には、本当に癒やされました。

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立体作品では着物、行灯等がありました。
昨年より少な目で、おそらく国内移動が制限されてのことだと思います。

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素晴らしいの一言しか出ないくらいの展覧会です。
2月1日までですので、どうか叶いますなら是非、御高覧のほど、宜しくお願い申し上げます。

舟醒