皆様こんにちは。
令和六年に入り早いもので閏年ニ月も終わり、三月三日、お雛祭りです。
このブログも大分間が空いてしまい、書きたい事が沢山あるにも関わらず止まってしまいました。
本年は心を改め、徒然に書いていきたいと思います。
さて、我が大日本書芸院は戦後に巻き起こった、書世界の大変革の流れに乗って生まれた会派です。
創始、阿部翠竹は古典をふまえた新しい創造書の書芸術を目指し、時に西川寧師や手島右卿師らとも共にすることもありました。
また太玄会や毎日書道展の審査員を務め、お弟子さん達も現在産経国際書展審査員で活躍される等、書壇とは一線を画しながらも一時代を担った書家でもあります。
中でも前衛書は美しい滲みを活かした大字作品を独自の美意識のもと、漢字・平仮名を区別なく情緒に訴えかける作品作りに成功しました。
習作「遊(游)」の春秋篆をアレンジした大字ですが、グラデーションがある滲みの中から浮き上がって見えます。
書芸術として本来的持つ字の”意味を伝える“という機能性に、抒情を取り入れた手法を編み出しました。
書道界ではタブー視する調墨を取り入れ、透明感ある滲みとグラーデーションを考案、3Dアートのような作風にも成功しました。
大字前衛作品は毎日、獨立系の方々が得意とされるところですが、字形の面白さ、滲みや掠れ、わざと紙から滲みをはみ出させ、紙の中に収まらない“外”への空間を意識させるところが他と一線を画す表現になっています。
更には余白の白と文字の黒とのバランスも取っています。
余白が大きければ白すぎて、それこそ白けてしまいますし、黒過ぎればこれまた見た画面が真っ黒になり、汚く見えます。
淡墨でも薄すぎず基線と滲みをより際だたせ、字本体が迫りくるような、そして適度な空間のとり方によって気品をたたえた作品に仕上げます。
書芸術であるならば、今、まさに書いているその瞬間の心の様を映し出せ!が我が大日本書芸院の目指す前衛作品なのです。
生翠
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